『アゴを引けば身体が変わる』伊藤和磨 光文社新書
私は、正直いって姿勢が悪い方です。
でも、姿勢が悪いと言っても、自分で何か間違ったことをわざわざやってるわけではない、と思っているので、姿勢がいい悪いの違いは、ほんの少しだと思っています。何かポイントがあるはずだ、と思っているんです。
でもいざ、姿勢を直そうと、あれこれやってるうちにこんな難しいはずがない、と思えてくるし、これが正しい姿勢だ、と言うのがわかっても、いつの間にか元どおりの悪い姿勢になってしまうし、、、もう負のスパイラル状態(?)でした。
この本は、姿勢についてだけではないのですが、私がこれだ!とメモ取ったのは、姿勢の正し方。
今の私は、2点だけ覚えておこうと思いました。
一つはお尻に力を入れて立つこと。骨盤が固定され、前のめりや猫背を防止、改善できるそうです。実際やってみると、確かに前のめりにはならないんです。
二つ目はアゴを引くこと。顎を引くと、頭が背骨にまっすぐ乗る気がします。
実際、歩いている時や立っている時、この2点を気をつけると、姿勢が正されます。こんなに胸張っていいんだ〜と気分も良くなります。
他にも直すべき点はあるかもしれないけど、当分はこの2点を意識していこうと思います。
『倭国の時代』岡田英弘 ちくま文庫 2009年
故岡田英弘先生の著書は、1〜2冊、しか読んだことないのですが、その時の印象は「痛快!」。。。でした。
軽快なテンポで、これは創作、これは後から書き換えられている、これはなんとか。。。と史料そのものの分析が目からうろこ落ちるような感じでした。
一般向けの歴史の本レベルしか読んだことがないので、歴史学の方々が普段どういう論文を書かれているかとか、学会でどういう流れなのかとかも全くわかりません。この本が2009年に出版されたというのは後付けでわかりますが、その時、歴史業界(?)がどんな状態でどんなことが言われていたかとかもわかりません。
ただ、一般教養的な歴史の本を拾い読みしているような私が今頃、この岡田先生の本を読んで見た、というだけの感想です。
まだ読んでる途中ですが、ちょっと息切れがしてきたので、一旦読むのをやめようかと思っているのでここでひとまずの感想を書いておきます。
やっぱり、痛快!です。
魏志倭人伝にどうこう書いてある、じゃあその邪馬台国はどこなのか?と古代史の楽しみとでもいうようなことも、岡田先生はそもそも魏志倭人伝とはどういう資料なのかを説明され、ええ〜、そういうことならその内容、しかも(今の)日本あたりについて書かれたないようなど、マジに受け取ることではないと納得してしまいます。
邪馬台国にかぎらず、
困ったことに、われわれはどうも、太古の紫雲たなびく「大和朝廷」の詩的なイメージに弱いようで、二〇〇〇年代の現代でさえ、その実在をまるで疑う余地のないものと頭から決めてかかり、ただその系譜をあれこれいじくり回しては、やれ「葛城王朝」だ、やれ「三輪王朝」だ、やれ「イリヒコ王朝」だ、などと空想にふけって楽しむ人が多いのは、いったいどうしたわけだろうか。
(158ページ)
ちょっと、笑いが止まらないです。葛城王朝も三輪王朝もイリヒコ王朝も知りませんが、大和朝廷の実在を無知ゆえですが疑う余地もないものと頭から決めてかかっていた、のは確かなので。。。
岡田先生は「日本書紀」ですらどこからどこまでは創作で、どこそこは参考に値するとかも分析されてて、思わず「容赦ない。。。」とつぶやいてしまいそうです。
こういうところが歴史好きの楽しみどころなんじゃないの?というようなところを一刀両断で切り捨てていく感じ。。。
そういえば以前に岡田先生の著書を読んだ時も似たようなことを思って、今後は歴史についてこういう浮かれたイメージで考えているかもしれないことを自覚しよう、とか思ったはずなんですが、部分的にそう思っても歴史全体に対する私の姿勢が変わってないだけに、気がつくとまた「太古の紫雲たなびく『大和朝廷』」なイメージで考えてます。
歴史を学ぶために読む本、といえるところまでたどり着けてないです。
自分の思い込みに気づく本、とでもいいましょうか。それも、大和朝廷に対する思い込み、とか、日本古代史に対するイメージという以前に、ひょっとして「学校で習った」「教科書で読んだ」「人から教わった」時の自分の受け取り方そのものに付いてくる「思い込み」に気づく、と言ったレベルかもしれません。
『脳に悪い7つの習慣』林成之 幻冬舎新書
21世紀は脳の世紀、とか言われますが、本当、色々と脳に関する本が出ていますよね。
難しいのはちょっとダメですが、一般向けならばどれも面白く読めます。
脳は自分そのものではなかったと言うか、脳も自分が使いこなしていかなくてはならないというのがミソなんですよね。脳の取説がやっとできてきた感じでしょうか。
たとえば、優れたスポーツ選手、今イチロー選手を思い浮かべていますが、インタビューの受け答えなどは、そう言う脳の取説によれば正解といっていいような内容だといっていいと思います。
イチロー選手が何かの記録を出した試合後のインタビューで、インタビューアーが「おめでとうございます」といった時、イチロー選手、笑顔にもならずに、「あ、それはもう終わったことですから。。。」といったのを見たときはほんと、驚きました。
イチロー選手が脳の取説ものをその時知っていたかどうか、そう言うことを世間でいい出していた頃だったかどうかはわかりませんが、私は知らなかったので驚いたんです。でも、イチロー選手が哲学者というか修行僧っぽいことは知っていたので、意地悪でそんなこと言ったとかは思いませんでした。きっと理由があるんだろう、と。
もちろんインタビューの受け答え方の問題ではなく、スポーツ選手は普段から自分のメンタルをメンテしているのでしょう、日常もそういう風に考え、行動しているのだと思うと頭が下がります。
脳は、「もうゴールだ」「だいたいできた」「だいたいわかった」と、思ってもダメだと言います。そういうことを思うと、もうそれ以上頑張らなくなってしまうとか。
前進あるのみ、でしょうか。
でも全方位に前進あるのみだと辛いので、これは!というところで目標決めて、そこだけ頑張ればいいのかな。
この本は間を空けて、何度か読み返したいと思いました。
『日本一やさしい天皇の講座』倉山満 扶桑社新書
天皇に関連する本を数冊まとめて読みました。主に歴史です。
読んでから少し間が経っているので読書ノート見てみますと、最近行われた御譲位や上皇という存在、ひいては皇室制度(古くは「朝家」と言ったそうです)について、過去にはこんなことがありましたという具合に歴史を振り返る感じの本と言っていいでしょうか。
今回のご譲位の前は二百年ほど前、江戸時代の光格天皇が仁孝天皇へのご譲位だったそうです。二百年ぶり!
倉山満氏の歴史の本は、楽しく読めるのですが、実は内容盛りだくさん、という。。。
読んでるときはスラスラと読んでいるのですが、取ったメモを後から見直すと、これをどうしてあんなに楽しく読めたのか?と途方にくれます。はしょりながら書いたメモですらその有様です。
著者が凄すぎるのか、私がダメすぎるのか。。。
ご譲位その他最近の皇室に関する展望などに関して話題に上がった「生前退位」という言い方がどうの、「死後退位」はありえんとかいうことも、過去にはありました、という説明で終了。
旧皇族が即位できるのかという件も過去には例がありましたという実例をあげて終了。。。という感じで、うーん、歴史を知らないと不必要な議論が生じるのかと。。。
私はこういうことを知らなかったのでテレビなどで論争を見て、遅れて倉山氏の本読んで納得で終了、ですが、倉山氏に限らず、こういうことに詳しい方はリアルタイムで不必要な(?)論争を見て、どう思われている/たのか。。。
「ざんねんな武将たち」大友宗哉 辰巳出版 2019
戦国武将とか、武士、侍と聞くと、思い浮かべるのはやはりステレオタイプなイメージ像なんだろうなというのは、わかっていたつもりだったけれど。。。。
でも、ステレオタイプなイメージを持つっていうことは、つまるところ、実態をよく知らないってことですよね。
ええ、ええ、この本を読んだら、たとえ有名どころでも実際の姿やら実態やら、本当に知らなかったんだ/知らないんだなと思いました。
時代の流れ別に、5章に分けられていて、計38人紹介されています。
最後はやはり、伊達政宗。5年早く生まれていたら天下を取ったかもしれないと言われる正統派のざんねん武将です。文句なし。
あとは、ちょっと「とほほ」感のあるざんねん武将たちがほとんどかな。怖気付いたとか、時の運がなかったとか、人物が小さすぎたかとか。。。
エピソードはどの人物も面白いし、一人につき4〜6ページほどにまとめられていて、読みやすいのですが、戦国マニアでも何でもない私が一気に読むにはちょっとつらくなった時もありました。(土曜日の午後に一気読みしました)。知らない名前が続くとやはり辛い。
ところが、ちょうど半ばくらいで、チョー面白いエピソードがあり、救われました。
名前も知らない人物でしたが、蘆名盛隆。
「一目惚れされて合戦が中止に」!?
イケメンすぎていい思いをしたかもしれないが、調子に乗って身を滅ぼしていますね。
話としてはイケメンが仇となって身を滅ぼしたというだけなのですが、戦国時代に相手がイケメンで戦意を失ったとか、ちょっと笑えるというか、「日本史面白いじゃないか!」と唸りたくなりますね。
肖像画とか残してないのかしらとまで思い巡らせましたが、はたと気がつきました。
私が西洋史を楽しんでいるのは、ひょっとして肖像画がたくさん残されているからではないか?と。
実を言うと、時代が下がって、肖像画が写真の時代になってくると、ちょっとつまらない感を覚えるんですよね。
日本史でも、ある程度、肖像画、残ってますけど、リアル感では西洋の肖像画には負けているように思えます。
いやいやいや、リアルかどうかはわかりませんね、盛ってるはずですよね。
話戻りますが、
ちょっと調べてみようかなと思えて来た人物は黒田官兵衛。豊臣秀吉の軍師。
秀吉は黒田官兵衛の野心を見抜いていたらしいので、人の才能は、才能ある人にしか見抜けないものなのかもと思いながら興味を持ちました。
『本当は怖ろしい韓国の歴史』豊田隆雄 彩図社 2016
ボリュームはありますが、 読みやすかったです。
著者は現役の高校教師、韓国からの留学生からの質問だったか挑発的発言に応えるべく韓国の歴史を学び直したとか。この本はそのまとめでしょうか。
私も最近、宮脇淳子氏や倉山満氏の本や動画などで東アジア、韓国、中国の近現代史を読んだり見たりするまでは、韓国の歴史と言ったら、白村江の戦い、そこから飛んで下手したら日韓併合までよく知らないという有様でした。韓流ドラマなどは見てないので、平均的な人よりも知らなかったと言ってよかったくらいだと思います。
あ、秀吉の朝鮮出兵と元寇が朝鮮半島経由で来た、くらいは知ってたか。
この本で初めて知ったわけではないのですが、朝鮮半島の歴史をざっと読んで「こんなことも知らなかったのか」と一番驚いたのは、かつてモンゴルの支配下にあったということです。韓国と言ったら焼肉をイメージされるムキもありますが、少なくとも日本よりは肉食の歴史は長く、はやくから慣れ親しんでいたそうです。
隣国だけあって日本との関わりが少なからずあるので(控えめな表現)、知っておくべきだと思います。
『ビスマルク ドイツ帝国の建国者』大内宏一 山川出版社 世界史リブレット人065
目次
プロローグ ドイツ帝国の建国者
1)プロイセン首相への道
2)ドイツ統一への道
ビスマルクと言ったら、プロイセンの宰相、よく漫画にされてる感じのお顔、戦艦につけられた名前、倉山満氏の歴史動画によく出てくる、国王と対立すると辞任をちらつかせたというエピソード、そして国王が変わり本当に辞任した後のヨーロッパひいては世界情勢のガタガタっぷり、政治だか外交手腕がありすぎたのか後任者には手がつけられなかった絶妙のバランサーだったとかいうイメージです。あと、明治新政府へ強烈に印象を与えたとか。
意外なことに、最初は官僚デビューしていたのが勤め上げることができず、とかいうと聞こえはいいけど、最初の夏季休暇で恋人家族と旅行に行って帰ってこなかった!?とか。
母親が官僚の一家、父親はユンカー(農場経営者)だったとかで、官僚になるよう期待されていたけれど、向いてないということでユンカーになったとか。幸運にもそこで結構うまくやっていたらしい。
結婚して、プロイセン領ザクセン州の議員として政治家デビュー。
そして政治家としての経歴、業績が説明されていくんですが、プロイセンやらドイツ帝国あたりの状況が複雑で。。。いやもう、ヨーロッパ情勢全体がややこしいです、この時代。
ちょっと前までハプスブルク家の歴史の本をまとめて読んでいたので、プロイセンやドイツ統一の話になると、ついハプスブルクの衰退という側面に目がいってしまいます。敵視とまでは言いませんが、公平中立にプロイセンの話を読めていないかもしれません。
ドイツ帝国といえば、建国式典?戴冠式?をなぜかフランスのヴェルサイユ宮殿でやってるんですよね、その辺も詳しく知りたいです。
このシリーズ(世界史リブレット人)、いいかも。とっかかりとして読むには親切でかつ十分な描写だと思いました。