『名画で読み解くハプスブルク家12の物語』 中野京子 光文社新書
この本は、なんとなくヨーロッパ大陸の歴史についての本を読みたいんだけれども、どこから手をつけたらいいかわからないなーと思っていた時に手に取りました。
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名前は知ってたけど、実はほとんど知らなかったハプスブルクについてもわかるし、一度は目にしたことがあるかもレベルの名画の説明もセットというので一石二鳥ではないですか?
詳しくなくてもいいんです、ちょっととっかかりができればいいというくらいの気構えで読みはじめました。人名とか地名とか、馴染みがない言葉が多く出てくると、読んでても辛いですからね。
著者の中野京子さんは、この手の歴史と絡めた名画解説の本をたくさん書かれています。ブログもあります。記事の最後に講演会などのご予定やこれまでの著作物の状況更新を丁寧にされていて、一つの記事が長い!
中野京子さんのファンはもちろん、本の追っかけ(?)をしている人にも親切なブログになってます。
さて、本ですが。
「名画で読み解く〜家(王朝)「シリーズは、このハプスブルク家が一作目らしいです。二作目はブルボン家。
私は先にブルボン家の方を読みました。次にこのハプスブルク家を読んだのですが、著者がかなり熱いなあ!と思いました。思い入れがあるのでしょうか。
序章で、ハプスブルク家の歴史の始まりがざっくりとまとめてあります。私の頼りない読書メモから長くならないように書き出すと、、、
10世紀ごろスイスの北東部の片田舎に現れた弱小の豪族で2、3代経て11世紀初め、ハービヒツブルク城が建てられ、これがハプスブルクの名前の元となった。
ハプスブルク家の実力というより、どころか当時の勢力関係から無害そうなハプスブルク家当主ルドルフが神聖ローマ帝国皇帝に選ばれた。のが、歴史の表舞台に躍り出てきた始まり。
でもそもそも神聖ローマ帝国ってなんなの?って思います。後世のヴォルテールが「神聖でもなく、ローマ的でもなく、そもそも帝国ですらない」と言ったそうですが。。。
中野京子さんは、
「神聖ローマ帝国」帝国とは複数の民族や国家を統合した君主国のこと。神聖とはローマ教皇から加冠されカトリックの盟主というお墨付きを得たことを指す。962年オットー1世の戴冠により始まったこの帝国は、ドイツ国(北イタリアを含む)の王が自動的にローマ教皇より行為を受け、いつの日か全イタリアを領有して古代ローマ帝国を再現しようとの見果てぬ夢の名称といってよい。
と説明されてます。「見果てぬ夢の名称」って表現がいいなあと唸ってしまいます。
私は、ほんの数冊まとめて読んだ程度のハプスブルク素人ですが、神聖ローマ帝国は「ローマ」をわざわざ背負わなければもっと違う風に発展していただろうなあと思いますね。まあ、その当時はそうでもしないとならない事情があったのでしょう。
(ここ、私の読書ノートから書いてまして、「引用」とできるほど正確に書き写したかどうか今はわからないので、こんな風に書いておきます。確認できたら訂正しますね)
この本、面白くて、たくさんノートに書き出したし、インターネットで名画の画像を探してプリントしてノートに貼り付けて、ノート作りも楽しみました。全部書き写すわけにはいかない量なので、端折りながら先を急ぎます。取り上げられた人物は、
第一章 マクシミリアン一世
第二章 狂女フアナ(カール5世の母)
第三章 カール5世
第四章 フェリペ皇太子
第五章 オルガス伯(フェリペ二世つながり)
第六章 マルガリータ王女(カルロス二世の母)
第七章 ルドルフ二世
第八章 フリードリヒ大王(プロイセンの王でハプスブルク家出身者ではないけれど、マリア・テレジアのライバルとして)
第九章 マリー・アントワネット(マリア・テレジアの娘。ハプスブルク家からフランス王家に嫁いだ)
第十章 ライヒシュタット公(ナポレオン一世とハプルブルク・ロートリンゲン家出身のマリー・ルイーズの子)
第十二章 マクシミリアン(メキシコ皇帝)
ここで章ごとの内容に踏み込むと長くなるのでやめますが、この本を読んだ後、ハプスブルクや神聖ローマ帝国の本をさらに読んでいきたい、いける!と思いましたし、同時に絵画解説の本も面白いなあと思って数冊、西洋絵画の見方みたいな本も読んでみました。
歴史は、中世〜近代になりかけあたりでなるべく遡った頃、でもある程度詳しく人物像などが楽しめるのがいいというのが私の好みです。となると、この本でいうならマクシミリアンとかカール5世です。
この後、カール5世をキーワードにして本を探していきました。(でもフリードリヒ大王もちょっと興味深いと思いました。)
ついでに言うと、歴史人物は写真よりも肖像画で残っているのが好き。
〜〜おことわり〜〜
この記事は、私の別の場所でのブログの過去記事に手を加えてここに掲載したものです。
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