本を読んでいくブログ(新)

読書記録。テーマは主に歴史、外国語学習、レシピ、手芸など。

『日常を探検に変える ナチュラル・エクスプローラーのすすめ』トリスタン・グーリー 紀伊国屋書店

↓この本の画像はアマゾン・アフィリエイトのリンクになってます。

発達障害についてネットサーフィンをしていた時に、「いつも空が見えるから」というブログを見つけました。

 

そこの記事で紹介されていたのがこの本でした。プロフィール欄にブログ記事はリンクフリーとあったので遠慮なくリンク置いておきます。面白い内容でした。

yumemana.com

 

でもここでは、このブログ記事 ↑ について、そしてそこで考察されているようなこの本に出てくる少数民族やニッポニテス(異常巻アンモナイト)と発達障害についてなどはややこしくなるので触れないことにしますね。

単に、このブログを読んでてこの本を知り、読んでみました、ということで。

 

 

この本は、地理的フロンティアのない現在、「知りつくされた世界で何らかの発見をして何らかの表現手段を用いてその発見を世に知らしめること」が狙いと理解しましたが、博物学的な描写(とでもいうのかな)が、ちょっと懐かしい感じで読みました。

昔、こういう文章を、自然を妙に細かく描写していく文章をたくさん読んだ気がします。どういうジャンルだったかとかどの本がそうだったかとかはわからないですが。翻訳物のちょっと古めの小説かな?

 

著者は、自分の(知りつくされた世界での)探検を描写するとともに、過去の探検家たちの本を引用し紹介します。それが面白く、ちょっと植物学とか地学とかまた学びなおしたくなってきてしまいました。

そして文化人類学も。そういえば若い頃、文化人類学の本を読むのが好きだったことを、人ごとのように思い出したりしました。

 

この本を読んで思ったのは、普段いかに感覚を使わずに生活しているか、あるいは受身的に感覚を使っているかということでした。

 

道を歩きながら、例えば、樹木、木の名前や特徴はもちろん、育ち方、葉の付き方から方角を知ったり、天候を知ったり、土壌を知ったりしたか、しようとしたか、わかるか。そこに生息する生き物、地衣類に目を向けたことがあるか、知ろうとしたことがあるか、空、色、光。。。自然だけでなく、人間、文化、宗教、そして自分の内面。。。

 

感覚を使っていく、、、もっと自分の意思で感覚を使っていく、、、?

それがこの本の趣旨だったかどうかわかりませんが(ちょっとこの本は私にとって謎っぽさがあります)、さらに感覚を使っていくということで別次元への探検、といった様相になるのかな、と思いました。

 

同じ著者の本で、さらに面白そうなタイトルの本がありました。

 

 

 

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『絵で見る十字軍物語』塩野七生 新潮社

去年、西洋の中世〜近代の歴史の本を集中的に(数は多くないですが)読んでいた時に、十字軍のことも知りたいなあと思っていました。

フランスとかイングランドなど国の歴史としてまとめられている本を読むと、十字軍の扱いが小さいようです。十字軍にかまけてて国が留守だったとか、その程度。

それは各国史を書く上では仕方ないと思うのですが、十字軍の影響を想像すると、その程度で(私が)済ませておいてはいけないだろうと思っていました。

 

この本は普段行かない図書館によった時に、書棚で見つけて借りてきました。

「絵で見る」のフレーズに惹かれまして。。と同時にいつかは読みたいと思っていた塩野七生先生の初めての本、になると思います。敬遠しすぎてもう何年も経ってます、読んでみたいと思ってから。。。

 

前書きによると、

19世紀の歴史作家フランソワ・ミショーの文章にギュスターヴ・ドレの絵、約100枚を載せた『十字軍の歴史』という本がある。

その挿絵に惹かれた著者がその挿絵を見開き2ページの左半分にその絵を一枚ずつ順に載せ、右ページでそのロケーションの地図、そして簡潔な解説を載せて紹介していくという体裁。

第一次十字軍から順に話が続いていくので、十字軍初心者にはありがたい本だと思います。文章読む量少ないし(!)、地図もある、イラストも綺麗と3拍子揃い。

最後はレパントの海戦です。

 

十字軍の始まりの部分が、ちょっと衝撃的でした。

イェルサレムへの聖地巡礼は、基本的にはイスラム教徒側も「聖地巡礼」そのものに理解があり、助け合うこともあったりしたが、それでも突発的に起こる迫害、横暴の類を解決するには聖地奪回しかないということで十字軍が結成されていった。最初は一般人だったが次第に君主レベルが参加するようになり騎士団も結成され〜と大規模に。

純粋すぎるというか単純すぎるというか、これだけの人が一途に着の身着のまま、かどうかはわかりませんが、兵站の用意もない状態でフランスあたりからイェルサレム目指すって、もうなんと言って良いか言葉も出ません。

こんな大群が近寄ってきて収奪強奪が予想されるとあっては、迎える側がキリスト教徒であっても恐怖でしか感じないでしょう。ということで途中、キリスト教圏のハンガリーあたりで攻防戦とかやってます。

 

イェルサレム陥落させた時、周辺のイスラム太守たちは単なる富や領土を求めての侵略だと思っていたので年貢金を収めるから、うちには攻めてこないでくれみたいなことを申し出たらしいのですが、十字軍側は拒否。

宗教戦争とは宗教という理由で「やめられなくなる」戦争のことです、みたいなことをかの倉山満先生がおっしゃってましたが、まさにそんな感じでしょうか。後世の人間である私が勝手なことを言うようですが、どうもいろんな場面で「やめ時」を逃してる様に見えます。 

 

あと、十字軍の余韻というか、それらしい十字軍と言う遠征計画が失敗に終わり、素人のどんなに下手な推測でも、神を信じていたのに、とか、神がついていたはずなのに、といった絶望感などはあったと思うんです。

そこに大雑把すぎるかもですが、紆余曲折はあったにしろオスマントルコレパントの海戦で勝利、イベリア半島を取り戻したと言うところでルネサンス時代、大航海時代の始まりという流れなんですね。と、納得しました。

 

いえ、高校生の頃に世界史で学びましたし、順番も知ってはいましたが、十字軍の高揚した気分とか絶望とか切羽詰まった感とかをこの本でプチ追体験して、中世の終わりをプチしみじみと味わえた感じがします。

 

この本で十字軍の流れを掴んでからだと、さらに読んでいくのも楽になると思います。塩野七生先生の十字軍物語に続けるのが妥当でしょうか。

 

今年に入ってから読み始めた歴史本は、宮脇淳子先生の朝鮮半島の歴史本が最初で、これが2冊目といったところですが、幸先いい感じ🎵。楽しく読みました。

 

akk444.hatenablog.com

 

今、これといって読みたい歴史のテーマが 決まっていないので、しばらくはあれやこれやと読んでいくことになるかと思います。

 

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『知的な人がよく使う英語の中の「外来語」』青柳璃乃 クロスメディア・ランゲージ

ズバリ、というかタイトルのまんまです、英語にとっての外来語。

出身言語別にまとめられていて、さらにその中でジャンル(文化とか政治とか)分けされて、見開きに「外来語」が4個ずつ。

見開きの左ページ上半分は4個の外来語と、それの英語での同義語がランダムに並べられ、同義語を選ぶクイズ形式になっています。下半分は解答、日本語の意味、発音記号。

ページによってはその下にコラムがあり、そのページに出てきた「外来語」が使われた映画や小説の紹介などがあります。

右ページは解説と例文。

見開きにに、その4個の「外来語」がなんども出てくる形になってます(イイね)。

クイズは別にいらないんじゃないかななんて思ったりしますが、でもこれがなければ単なる単語リストになってしまうし、このおかげで本のレイアウトとか余白っぽさ(?)の具合がいい感じになっていると思います。

 

第1章がフランス語、一番多い。

第2章、ラテン語

第3章、スペイン語、イタリア語、ドイツ語

第4章、ヘブライ語アラビア語ギリシャ語、ペルシャ語

第5章、ロシア語、中国語、日本語

という章立て。

 

フランス語とラテン語のところまで読んでいるのですが、どちらも(特にフランス語)はすでに英語の中でよく使われているので知らない単語ばっかり!てな感じはしなかったです。

 

第3章までの言語は多少学んだことがあるので見たことのある単語がいくつか並んでて目に優しい(笑)のですが、一番「新出単語」にさらされるのは第4章かな、と予想してます。

 

コラム読んでて思ったのは、英文読んでてこういう外来語が出てきたときに「知的っぽさ」とか「キザっぽさ」とかを自分は感じ取れていたかなと。。。そこまで丁寧に読んでいたかな?と自問しました。

 

 

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『悲しい歴史の国の韓国人』宮脇淳子 

 

 

 この本について記事を書こうと思っていたのですが、数日、動けなかった。

多少、忙しかったとか外的な理由もあるのですが、一番の理由は、ちょっとやそっとでまとめられなさそうだったから。

しかも、マインドマップの本を数冊並行して読んでおり、この本もマインドマップでメモ取りながら読み進めました。

マインドマップの書き方そのものがまだ下手なのでしょうが、書き取ったメモの量が半端ないので、これをまとめる?と途方に暮れてしまいました。

 

でも冷静に考えると、もしマインドマップ・スタイルでメモ取っていなかったら、文章丸ごと書き写しとかもっと多くしていただろうし、それを見直すという作業はもっと大変なはず。

マインドマップのポイントの一つに、キーワードだけで書いていくというのがあるんですが、私はまだ未練がましく文章で書き出してしまいマインドマップにしているので、本来あるべき姿のマインドマップよりも見直しにくいことになっていると思います。

キーワードだけでメモ取っていくって、ちょっと勇気いるなあなんてことも思ってます。

ああ、マインドマップについてはまた別の記事で書いていきます。

 

 

著者の宮脇淳子先生はモンゴル史専門らしいのですが、なぜ韓国の本を書いたかという理由を前書きで説明がありました。高麗はモンゴル支配下にあったというつながりです。

ここでまた、「うわー、何も知らなかったんだな」と思ってしまいました。朝鮮半島の歴史は白村江の戦い朝鮮出兵日韓併合朝鮮戦争といったキーワードをあげられる程度、詳細は雑学程度しか知りません。そもそも高麗がモンゴルとどうしたとかすら知りませんでした。

 

第一章は概略。

第二章で高麗とモンゴルの支配についてと李氏朝鮮

第三章では李氏朝鮮の内実

第四章で日朝関係、日清戦争大韓帝国

第五章で日露戦争

第六章で満州事変

第七章で日本統治

第八章で南北分断された朝鮮半島朝鮮戦争

第九章で反日について

 

朝鮮半島の歴史についてはほとんど白紙状態でしたが、読みやすかったし、話の流れにも無理がない感じで読めました。

 

歴史の本で(私が使った教科書がそうだったと思うのですが)、一つの文に詰め込みすぎなのか、文章がもう何をいってるのかわからない時があり、これがわからない私は頭が悪いのかと思っていました。今では、私の頭も良くないけれど、それでもわからない文章書いてる方がもっと悪いと思うようにしてますが。

そういうわけで読んでわかりやすい歴史の本に出会うと、それだけで嬉しくもあり、「ほらね(、悪いのは私の頭じゃない)」といってやりたい気もしてきます。私の気持ちは置いておいても、歴史って面白い!と自然に思えてきます。

 

ここでこの本の内容をまとめるなんて、たいそれたことはしません/できませんが、この本を読んでもっと知りたいと思ったのは、日清戦争のことです。

日露戦争のことは、「坂の上の雲」を読んだ時にちょっと調べたりしてました。日露戦争にフォーカスしていると日清戦争はあんまり大した出来事でなかったように思えてたのですが、日清戦争の意味とか影響とか軽んじていいようなものではないようです。

 

日韓併合などについて宮脇先生が数冊、おすすめ本を紹介されてましたし、宮脇先生の

朝鮮半島についての本が他にもあるのでさらに読んでいきたいと思います。

 

 

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『子どもの能力を引き出す最強の食事』ギール里映 日本能率協会マネジメントセンター

ポイントは3つ

1。食べてはいけないものを知る

2。食べたほうがいいものを知る

3。出せるカラダを作る

1日5分程度でできる食育法

 

順に追っていきますと、

パート1 カラダとココロは食べ物からできている

 「普通に食べていると病気になる時代」

 「普通と思っていてもすでに普通でないかも」(アレルギーや体調の不良、頭痛など)

 

パート2 食べないほうがいいものを知る

 食べてはいけないものはないが、食べないほうがいいものとして人工的な食べ物、牛乳、小麦粉、砂糖、適量以上の果物など。

 ハレとケの日の食事。ケの日の食材の質をあげる

 食事日記のすすめ

 

パート3 食べたほうがいいものを知る

 玄米、味噌汁、調味料(著者は、伝統的製法で作られた味噌、醤油、梅巣、塩を常用。砂糖はみりん、甘酒、ハチミツなどで)

 

パート4 出せるカラダを作る

 腸内環境を整え、鍛えることで脳も活性化される

 乳酸菌

 味噌汁、玄米

 葛クリーニング(くず練り)

 

文中で紹介、参考にされた本;『給食で死ぬ!』(コスモ21)

 

なんとなく、内容は想像つけてた通りなので、確認する程度の読み方で読了。

 

 

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『やさしくわかるデジタル時代の著作権』1基本編、2学校編、3生活編

calil.jp

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息子が自分で書いたイラストをSNSに載せたりしだしたので、色々と気になり始め、著作権について調べてみました。周囲の人に聞いても、人によって違うことを言ってるようなんで、自分で調べないとダメだなあと思いました。

 

息子と一緒に見れるように、子供向けの本を選びました。(私自身も、インターネットで調べた時に、文字だけの説明でわかりにくいなあと思っていたので、わかりやすい本がよかったのです)

 

この本は説明も必要十分な量あったと思いますし、イラストも多くて見やすかったです。

 

著作権と一言で言われているけれども、著作者人格権(3つの権利)と著作権(12の権利)から成っており、著作者人格権は永遠に保護される、著作権は日本では70年間保護される。

 

このあたりは基本知識。

 

学校での使用については多少制限がゆるいこともある点。

そのほかに覚えておこうと思ったキーワードは「公衆」、「非営利、無料、無報酬」、「クリエイティブ・コモンズ

 

息子のケースとして確認したかったのは、手書きで真似して書いたイラスト作品の扱い。

どんなに下手でも著作物を真似るのは「複製」になる、とのことです。その場合の公衆送信は著作者の許可が必要。

 

となると次に確認しなくてはならないのが、SNSでのアクションが公衆送信に当たるのかどうか。

この点については、公開範囲の設定とかが関係してくるのかもしれませんが。。。基本的には、世界中の誰もが見れるようだと「個人の利用」の範囲を超えていることになります。

 

(ちょっと調べるの面倒。。。)と思いながら、とりあえず息子とは、「人さまの作品を真似して描くのは複製にあたる」点を確認しました。だから、扱いには注意が必要だ、ということで。

 

実は私も、タイ語の本の写真をこのブログに載せていたのですが、本の表紙はデザイナーさんの著作物ということがわかり、写真を削除しました(汗)。

うーん、デジタル時代って難しいな、ですね。

 

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『京都ぎらい』井上章一 朝日新聞出版

日本に帰ってきて、でも正月なので、図書館が利用できません。

1ヶ月家を開けるときに、手元に置いてあった本を一旦片付けてしまったので、すぐに用意できない。しかも、何を読んでいたか覚えてないというか、ピンとこない。探し出して続きを読む心構えができていないというか。。。

そこで、家の本棚にあった、おそらく母の本で、かつ簡単に読めそうな物を選んで読み始めました。

 

『京都ぎらい』

どこかの書評で目にしたことがあり、面白そうだと思っていたのですが、わが家にあるとは知らなかった(笑)。

腰帯に「千年の古都のいやらしさ、ぜんぶ書く」とあるので、もう前もってあれやこれや、京都人の悪口みたいなものがたくさん書かれているのかと想像してしまいました。

 

そう言う意味では、第一章は期待通りの始まりという感じ。

京都の中でのヒエラルキーというか、嵯峨という郊外育ちに対する打撃を受けた著者の体験談で始まり、うわー、京都って中でこんなことしてるの?という話が続きます。

まあ、東京だって品川ナンバーがもてはやされたりとか、大なり小なりどんな場所にでもあるでしょ?と言えるものかもしれないけど、なぜか京都はちょっと別という感じがしないでもない。

そこは京都という「中華思想」のせいでしょうか。明らかに「周辺」を見下しています。京都以外に中心なし、な感じ。相対化されない感じ。。。

 

ブラジルでの「キョオト」はちょっと笑いを禁じ得ない。著者が感じていたであろう爽快感がなんとも可愛らしい。

 

そんな具合で第二章以降は、それをさらに過激化していく内容かと思っていたら、違います。単なる恨みつらみを込めた本ではありません。著者はご自身ではそんな風に思っているかもしれないけれど、読み進めていくと別に京都のこと悪く言ってるようには思えなくて、ちょっと意外というか肩透かし食らった感じ。

著者の教養が出るのか、考察を加えていくと、京都の特別感は浮き上がってくるものの、「嫌い」「いやらしさ」って感じはしてない。。。と思いました。

 

南北朝の話と嵯峨への思い入れ話は、歴史の展開の面白さを垣間見れたし、歴史が身近にある場所で育った子供の感覚と真剣な思い入れ話として読みました。鎌倉出身の自称アマチュア歴史研究家の友人が似たようなことを話していたのを覚えています。

 

どんな本読んでも「〜のこと、実は全然知らなかったんだなあ」と思ってしまうのですが、この本読んでもやはり思いました。京都のこと、知らないなあ。。。と。

取っ掛かりとして南北朝時代のこと、もうちょっと知りたいと思います。

あと、歴史関係の話では、今の京都は案外と徳川最初の三代くらいが重点的に復興させた街であるということも面白いと思いました。徳川の力の誇示、らしいですけども。

 

京都っていつからこういう「京都」なんだろう?とか、

都だからっていうなら、京都の前のみやこ所在地に対してはどう思ってるんだろう?とか、ちょっと思いました。

 

つらつら書き連ねただけでなんのまとまりにもなってませんが、これが2020年最初に完読した本でした。

 

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